会長挨拶

熊本大学工業会会長 山尾 敏孝

 2022年6月4日開催の工業会定例役員会におきまして、会長に選任された昭和49年土木工学科卒業の山尾です。工業会は、卒業生のご支援とご協力により継続されてきた素晴らしい伝統ある同窓会で、現在は熊本大学同窓会連合の要となっています。これまでに多くの会長が伝統構築と発展に力を注がれ、最近では、佐藤先生(前々会長)は創立120周年の記念行事を実施し、牧野先生(前会長)はコロナ禍での同窓会活動自粛の中での工業会運営を務め、尽力されました。多くの先輩方の力には到底及びませんが、素晴らしい伝統を受け継ぎながら、良いものは残し、必要ならば改善していくつもりです。工業会をよくするため、心の拠り所となる同窓会とするためには、会員一人ひとりが、意見を出しあって同窓会活動に関わっていただきたく、“卒業生、現役の学生および教職員をつなぎ、皆さんの声を聴く工業会”を目指したいと思います。
 3年ぶりの定例役員会(2022年6月4日開催)は、コロナの影響もあり対面とオンライン出席も交えたハイブリッド会合となり、相手の顔を見ながらの対面会議ができることの大切さを改めて感じました。今回のコロナ禍ほど同窓会活動に影響を及ぼしたことはこれまでなかったでしょう。各地の支部総会がこの2年間ほとんど開催されなかったことがどのような形で表われるか心配です。しかし、定例役員会で各支部長さんのお話を聴きながら、まずは、会長・三役とのオンラインでの意見交換等によりコミュニケーションや交わりを復活することの大事さを改めて認識したところです。
 工業会は財政問題、名簿や会報の問題、工学会との連携の在り方等の課題があり、見直しを含めた改革が必要な時期に来ているようです。工業会の役目の一つは、母校に対する支援です。コロナ禍による家庭の収入減やアルバイト収入減による生活困窮学生の支援が必要なとなりました。しかし工業会にはこのような財政支援がすぐできる仕組みとなっていないため捻出方法に苦労したようです。経常費以外の大きな額でかつ突発的な支援に対応できる基金の必要性を痛切に感じました。財政状況を改善しつつ、基金設立も視野に入れた検討を開始したいと思います。役目のもう一つは、会員同士が楽しく交わり、良い人生を生きながら母校を応援することです。各地の支部総会や各学科関係の部会開催、クラス会等は同窓生が集まり、会員同士の交わりを楽しめる会合です。工業会では、会報や名簿を作成し、HPを利用できる支援していますが、これらが会員の交わりにどのように貢献し、役目を果たしているか、今一度意見を聴きながら見直しを進めたいと思います。特に、名簿の在り方については長年の懸案事項でありながら未だに解決できない難問です。これらの諸課題に対して、三役と力を合わせて取り組みますが、卒業生皆様のご支援を是非お願いします。
 熊本地震で被災した重要文化財の工学部研究資料館と中央工場の改修が2022年3月に終了しました。工業会の寄付が工場の改修に貢献できたことをご報告します。大学に立ち寄る機会がありましたら是非ご覧ください。また、台湾のTSMCが熊本県菊陽町に半導体工場を建設することになり、熊本大学でも2022年4月から先端科学研究部に「半導体研究教育センター」が設置されました。最先端の基盤研究からシステム応用までを網羅する半導体研究開発ができるようになり、実践的な高度技術者を育成し、輩出できることになりました。半導体の関連企業が進出を狙っている熊本が一躍脚光を浴びています。
 最後になりましたが、同窓会を親睦の場とし、力を合わせて母校をしっかり応援していきたいと思いますので、皆様のご協力とご支援をお願いし、ご挨拶とさせていただきます。

熊本大学工業会
会長 山尾 敏孝